信州建築構造協会9月例会
共催 | JSCA長野 |
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後援 | (社)長野県建築士事務所協会 |
開催日 | 2014/09/30 |
時間 | PM3:00~5:00 |
参加費 | 1,000円 |
講演内容 |
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会場 | メルパルク長野 長野市鶴賀高畑752-8 TEL:026-225-7800 |
セミナーレポート
9月例会の公開セミナーは、講師にアンデン東京1級建築士事務所の水津民夫所長を招き「伝統的建築物や古民家の耐震補強に適した、木造建築物の限界耐力設計」について開き、約50人が参加し木造建築の耐震診断や設計、補強に用いる「限界耐力計算」について学びました。
同計算手法により数多くの伝統建築の耐震設計を手掛ける水津氏は、構造用合板や筋交いを用いた現代の建築の耐震性能は、壁量(耐力)だけで評価するのに対し、限界耐力計算では、仕口や土壁など変形能力がある耐震要素を加味しながら、「建物の重量や耐力、揺れを吸収する減衰性能を定量的に評価する」と特徴を説明。「この建物は地震で何㎝ずれるという変形量を数値化し、『復元力特性』(保有耐力に置き換えられる)として耐震性能を示す」と述べ、その数値は理論値ではなく、土壁などさまざまな耐震要素を組み込んだ実大フレームを繰り返し揺らして導き出す実証データを用いると解説しました。
歴史的な建築物が豊富にある関西地方で、限界耐力計算による耐震性能の評価や補強が普及しているとし、同計算手法により「お寺などの耐震診断ができるようになった」と語り、伝統建築の耐震補強に有効なツールとして、柱に設置して制震性能によって地震力を抑える「仕口ダンパー」や、大きく傾いても壊れずに粘り強い耐震性能を発揮する「荒壁パネル」なども紹介しました。
このほか、JSCA関西がホームページで公開している無料でダウンロードできる限界耐力計算のエクセルプログラムについても、概要や活用方法を解説されました。
新井会長は、「こうした手法を勉強して、県内にもたくさんある伝統的建築物の耐震性確保に尽力したい」と話していた。