信州建築構造協会5月例会
主催 | 信州建築構造協会 |
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開催日 | 2017/05/31 |
時間 | 1.理事会 PM2:30~2:45 2.講演会 PM3:00~5:00 |
参加費 | 参加費無料 |
講演内容 |
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会場 | ホテルモンターニュ松本 長野県松本市巾上3-2 |
セミナーレポート
法令改正は技術の進化に
5月31日、松本市内で5月例会を開き、講師を招いた講演会を行いました。
木質構造を研究する京都大学生存圏研究所の五十田博教授を講師に招き「あなたにもきっと出来る?木構造の告示改正」をテーマに講演していただきました。
五十田教授は近年、中層木造建築物の建設が盛んに行われるようになった理由を「耐火集成材の開発と、耐力壁周辺の金物の進化だ」と分析。燃えにくい薬剤を注入した集成材など耐火性能を備えた木造部材は、欧米諸国で開発が進む一方で「日本はまだまだ遅れをとっている」と強調しました。
また、2000年の法令厳格化により耐力壁周辺の金物が小型化した例を挙げ「法令の改正は、技術の進化につながる」と指摘しました。
現在、国土交通省が進める新しい木質材料を活用した混構造建築物の設計・施工についても説明。建築物の構造性能損傷・劣化検知技術を「健康診断」、構造性能検査技術を「体力測定」に例えるなど、受講者にわかりやすくかみ砕いて説明していました。
講演の最後に、五十田教授は「技術として優れていることが実証でき、普及する可能性が高いものは、協会員が束になって根気強く言い続ければ、告示改正される可能性がある」とまとめました。
新井典夫元会長はあいさつで「これからは木造の構造設計に取り組まなければならない時代がくる」と強調しました。