信州建築構造協会11月例会のご案内
主催 | 信州建築構造協会 |
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共催 | 鉄筋コンクリート委員会 |
開催日 | 2017/11/17 |
時間 | 講演会 PM3:00~5:00 |
参加費 | 1,000円 |
講演内容 |
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会場 | SILK HOTEL 3F瑞雲の間 長野県飯田市綿町1-10 |
セミナーレポート
プレストレストコンクリート造の発展に向けて
○信州建築構造協会総会・11月例会○
11月17日、飯田市のシルクホテルで第26回総会と11月例会を開き、2人の講師を招いた講演会を行いました。
講師は、VSL協会の南伊三男氏とオリエンタル白石PC建築グループ技術チームの鳥屋隆志氏。南氏は「VSL工法の概要とPC造の事例紹介」について、鳥屋氏は「知れば面白くなる!PCの世界!」についてご講演いただきました。
1958年、スイスのロージンガー社が開発したVSL工法(VSLは、Vorspann System Losingerの略)は、PC構造におけるポストテンション方式のプレストレスト定着工法でくさび定着形式のひとつで、1本のケーブルで小さな導入力から巨大な導入力まで与えられるよう考案されています。
日本では68年に大成建設がVSL工法の技術を導入し、山陽新幹線の吉井川橋梁工事に採用している。81年にVSL協会設立、87年にVSL工法の日本での独占的実施権を持つ「VSLJAPAN株式会社」を設立し、現在はゼネコンや専業社を合わせ65社で構成しています。
この工法によるPC施工物件は、98年に建設された長野オリンピック開閉会式会場(長野オリンピックスタジアム)をはじめ、大阪プール、京都大学桂キャンパス総合研究棟、国立劇場おきなわ、警視庁航空飛行隊江東飛行センター、稲盛記念会館などがあります。また、現在施工中のものでは、大成建設が施工する新名神高速道路生野大橋などがあります。
このほか、プレストレストコンクリートの仕組み(ポストテンション方式、プレテンション方式)や特長、構造の分類(FPC、PPC、PRC)などを解説した資料を配布しました。
鳥屋氏は、PC梁の設計フローや仮定断面の決め方、保有耐力、たわみ、柱梁接合部の解説などを資料で説明したほか、体育館や競馬場、物流センターなどを事例紹介しました。県内では、創造学園高移転改築工事や長野都市ガス本社ビル工事(いずれも2017年工事完了)などがあります。